はちみつはカラダに良いと言われています。世界中には古来、はちみつについての文献がたくさん残っています。
では、はちみつの何が良いのでしょうか?。
知っているようで知らなかったハチミツの話しをまとめてみました。
はちみつには蜂蜜の臭いや色を取り除いた「精製はちみつ」や、とうもろこしデンプンを原料として作られる液状糖(異性加糖)を加えた「加糖はちみつ」と言うものもあります。 これらには、一般的にいわれるはちみつの効用は、ほとんどありません。 純粋はちみつに精製蜂蜜や加糖蜂蜜を加えた物も存在するのでご注意下さい。 また、純粋蜂蜜でも加熱、クリーム化などの処理をした物はその効用はうすれます。どんなにすぐれたハチミツでも、高温で加熱処理すれば希少なミネラル成分などが失われ、そればかりか天然ハチミツがもつ芳香も消えてしまいます。 ここでは、添加物の一切ない「純粋はちみつ」についての話をしていきます。 |
蜂蜜(はちみつ)とはミツバチが花の蜜(花蜜)を採集し、巣の中で加工、貯蔵したものをいい、自然界で最も甘い蜜といわれます。 花蜜の成分であるショ糖を、ミツバチの体内で唾液酵素などによってブドウ糖と果糖に分解したものを巣に蓄え、羽ばたきによって水分を蒸発させ、糖度が80%になるまで濃縮されたものです。 約8割の糖分と約2割の水分によって構成され、ビタミン、ミネラルなど微量の有効成分を含み、味や色は蜜源植物によって様々です |
蜜蜂によって採取された蜜(花蜜)は糖度40%のしょ糖(スクロース)ですが、巣の中で蜜蜂によってグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)に分解され、糖度は約80%に上がります。糖分のほとんどはブドウ糖と果糖ですが、少量のオリゴ糖とショ糖、デキストリンも含まれます。
蜂蜜100g中の糖分の目安 | ||||
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スクロース (ショ糖) |
グルコース (ブドウ糖) |
フルクトース (果糖) |
マルトース (麦芽糖) |
ガラクトース |
1% | 42% | 51% | 2% | 4% |
ハチミツの成分で最も多いのはブドウ糖と果糖で、その次が水分です。そのほかには僅かですがショ糖・有機酸・ミネラル類・ビタミン類・アミノ酸・酵素などが含まれます。
その割合は、はちみつの種類によって違いますがそのことが種類の違うハチミツの個性的な特徴を構成する要素として、はたらいています。
「ブドウ糖」と「果糖」を総称して「転化糖」と言います。これは、ショ糖が酵素によって分解されてより単純な糖類に転化するからです。
この様な糖類を単糖類ともいいます。多糖類に比べると構造が単純で、単糖類は、これ以上分解される事がないので、体内に入ると短時間で吸収されます。
ブドウ糖・果糖が主成分のハチミツはとても合理的な栄養源なのです。
米や麦などの澱粉(炭水化物)は、体内で酵素の働きにより分解され、最後にブドウ糖になります。砂糖も分解する過程を経て最後にブドウ糖になります。
ハチミツの主成分であるブドウ糖と果糖はそのまま吸収されるのでまったく胃腸の負担になりません。
病気などで体力が衰え、食欲がない病人にブドウ糖を点滴するのはこのためです。
吸収されたブドウ糖は血管を通って肝臓に運ばれて、大部分はグリコーゲンになって蓄えられます。また一部は筋肉の中でグリコーゲンになって利用されます。
血液中のブドウ糖のことを血糖といいますが、正常な人の濃度はおおよそ一定で血液100ml中に80mgから100mgと言われています。
この血糖値が極端に低下すると、人は死ぬこともあります。普通の生活で1時間あたり平均15gから16gのブドウ糖を消費していると言われますが、激しい運動をした後は血糖値極端に下がりが、最悪の場合は死んでしまう事もあります。
肝臓や筋肉に蓄えられたグリコーゲンが激しい運動によって消費されるので、極度に血糖値が低下した場合には肝臓のグリコーゲンがブドウ糖に分解されて血液中に戻り、血糖値の低下を防ぐ緊急処置が働く場合もあります。
激しい運動の前には前もって炭水化物を十分にとってたくさんのグリコーゲンを体内に蓄えておく必要があります。
中でも最も理想的なのがハチミツで、消化器官に負担をかけずに短時間で血糖値を上げますから、マラソンやトライアスロンなど激しい運動の前にたっぷりハチミツをとっておけば、体力の消耗を防ぐ事ができます。
また、運動の途中にはちみつ入りのドリンクをとるのも理にかなっています。
はちみつには普通、ブドウ糖より果糖の方が多く含まれています。これが大きな意味を持つのです。
それは同じ単糖類でも果糖はブドウ糖と違って吸収速度がブドウ糖の約半分なので吸収によって血糖値が急激に上昇することがないのです。一度に多量の糖分を肝臓に送り込まないようにコントロールする働きを持っているのです。
肝臓がグリコーゲンを蓄える限度を超えると、余った分は脂肪に変わります。澱粉や砂糖をとり過ぎると肥満になるとといわれているのは、このためです。
ハチミツの主成分も糖分ですから、同じではないかと思われがちですが、意外なことが発見されました。それは「ハチミツは体が処理できる以上に血糖値を高めない」という事実です。ハチミツの中の果糖が血糖調整作用を受け持っているのです。
ハチミツには約10種類のビタミンが含まれています。その量は花の種類によっても変わりますが、熱処理・脱臭・脱色など加工工程でも減ってしまいます。不必要な加工をしていない天然蜂蜜を選ぶのが重要です。
ハチミツに含まれるビタミンにはビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・葉酸・ニコチン酸・パントテン酸・ビオチン・C・K・コリンなどがあります。
ハチミツには人間の健康維持に必要なミネラルがほとんど全て含まれています。種類(ハチミツ1kgに含まれるミネラル量単位mg)カルシウム49・鉄2.4・銅0.29・マンガン0.3・リン35・硫黄58・カリウム205・塩素52・ナトリウム76・ケイ素8.9・マグネシウム19・珪酸22(ハチミツ1kgに含まれるミネラル量単位mg)
蜂蜜1kgに含まれるミネラル量(単位:mg) | |||||
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カルシウム | 鉄 | 銅 | マンガン | リン | 硫黄 |
49 | 2.4 | 0.3 | 0.3 | 35 | 58 |
カリウム | 塩素 | ナトリウム | ケイ素 | マグネシウム | 珪酸 |
205 | 52 | 76 | 9 | 19 | 22 |
はちみつにはその高濃度糖分と過酸化水素による高い殺菌効果があります。
しかしながら過酸化水素は酸素のない体内では酵素により分解され殺菌効果は低下します。
また、薄めたり、お湯に溶かしたりするとその効果はうすれます。
一般に蜂蜜(純粋ハチミツ)は抗菌・抗炎症作用を持っており、古くから民間療法として細菌感染症や口内炎などの治療に蜂蜜が使われていました。厚生労働省の日本薬局方では「ハチミツ」は医薬品(生薬)として記載され、その効能や用法として「口唇の亀裂・あれ等に脱脂綿、ガーゼ等に浸し又は清潔な手指で患部に塗布する。その他滋養、甘味料として適量をそのまま又は適宜薄めて使用する。」と記載されています。 蜂蜜の抗菌作用は、高い浸透圧によるものや、蜂蜜に含まれるグルコースオキシダーゼ(glucose oxidase)によって発生する過酸化水素によるものと考えられています。すなわち、浸透圧の高い濃縮状態の蜂蜜が細菌の細胞内の水分を奪うことによって死滅させ、また過酸化水素は活性酸素の一種で強い酸化力によって細菌を死滅させます。しかし、浸透圧による抗菌作用は薄めると活性が低下し、過酸化水素の抗菌作用は光や熱に不安定で、赤血球や組織中に存在するカタラーゼ(catalase:過酸化水素を分解する酵素)で失活します。 |
ハチミツはミツバチが花から集めた花蜜をそのまま巣に蓄えると思っている方もいると思いますが、花蜜と蜂蜜は違うものです。
ミツバチは花から蜜を吸うと体の中で花蜜の成分である"ショ糖"を、果糖とブドウ糖に転化し、巣に戻って、他の働き蜂に蜜を口移しします。受け取ったミツバチは、また同じように体内でショ糖を果糖とブドウ糖に転化し、それをまた他のミツバチに口移しで与えます。これを何回か繰り返してミツバチの体の中で加工されていくうちに、完全に果糖とブドウ糖に転化されます。
これらが巣に蓄えられた後、ミツバチの羽ばたきで水分を蒸発させ、濃縮されるとフタがされハチミツとして保存されます。
蜜源となりうる花が複数ある場合、複数の花の蜜が混じった蜂蜜ができるのではないかと考えられがちである。
しかしミツバチには一つの花から蜜を採集すると、可能な限り他の花の蜜を採集しないという性質があります。さらに蜜蜂にはミツバチのダンスと呼ばれる8の字に飛び回る行動によって仲間に蜜源を知らせる習性があり、豊富な蜜源については激しく飛び回って知らせる一方、貧弱な蜜源についてはほとんど、時にはまったく教えようとしません。
このような理由から、現実には、ほぼ純粋に一つの花から蜜を採集することができるのです。蜂蜜は主要な蜜源植物によってレンゲ蜜、アカシア蜜などと分類され、蜜源植物が複数ある場合には「百花蜜」と呼ばれます。
ミツバチ属は9種で、最も身近なのがセイヨウミツバチで現在24亜種、そのうちの数亜種が世界中で養蜂種としてハチミツ、ローヤルゼリー、プロポリスの生産に用いられています。これ以外のミツバチ8種は東南アジア原産です。
ミツバチは女王蜂、雄蜂、働き蜂の3つに分けられ、生物学的には女王蜂も働き蜂も雌で、一つの巣箱の中に一匹の女王蜂、数千から数万の働き蜂という割合です。働き蜂の数は季節によって変動し、春から夏にかけて最も多くて5万匹、他の季節は3万匹程度と言われます。雄蜂の数は働き蜂の1割程度です。
ミツバチが花蜜を集めるのは自分のためではなく、もちろん人間のためでもりません。女王蜂を頂点とした集団全体が生き延びるためで、まさに身を粉にして働いているのです。
人間は、そのミツをお裾分けに預かっているわけです。また働き蜂は花粉も集め、いろいろな花を飛び回り自然に受粉活動も行っているので、多くの花を咲かせる植物が実をつけることが出来るのです
純粋はちみつ(熱処理やクリーム化をしていない)は温度が下がると結晶化します。ハチミツ中のブドウ糖の割合がが高いほど結晶しやすくなります。品質には全く影響はありません。結晶化するのは純粋ハチミツの証拠です。ただ、アカシア蜂蜜のように結晶しにくい純粋ハチミツもありますので、ご注意ください。
固まった場合は湯煎でゆっくりと温めるのがおすすめです。
はちみつに含まれる酸が臭いの原因であるアミンの揮発性をなくす。
調味料の醤油や味噌にはちみつを混ぜると、はちみつに含まれるグルコースとフルクトースが魚のタンパク質や醤油・味噌のアミノ酸とアミカルボニル反応をおこし、それによって生じる香り成分がアミンと結合し魚臭さを打ち消し、香りが一層良くなります。
肉料理にはちみつを使うと、その浸透性の高さにより、肉の組織まで浸透し、加熱による収縮・硬化を防ぎます。
また、はちみつに含まれる有機酸は肉の保水性を高め肉を軟らかくします。さらにグルコースとフルクトースが熱によって短時間でカラメル化するため、肉の表面が固められ肉の内部に水分や旨味を閉じこめます。
炊飯の際にはちみつを少し加えると、グルコースとフルクトースが米の内部に浸透し保水性を高め、さらに加熱されたアミラーゼが米に含まれるデンプンをブドウ糖に転化することで味が良くなります。
その他調味料としててのはちみつはリンゴ、レンコン、ゴボウなどの切り口の褐色変化を防ぐ、またイースト菌の発酵を促進するといった効果もあります。
日本では人気No1のはちみつです。上品な香り・まろやかな舌触り・きれいな淡い色のはちみつはまさにハチミツの王様です。
レンゲはちみつと同様に、色も淡く味もマイルドなアカシアも人気の高いはちみつです。ハチミツの女王とも呼ばれます。 アカシアのハチミツは冬になってもなかなか結晶しないのが特徴です。
レンゲ、アカシアと並び人気の高いはちみつです。淡い色と香りもよくクセのない味が好まれます。アメリカでも人気の高いハチミツの一つです。
大根のような匂いが特徴です。レンゲと比べるとやや濃厚な味。これを好まれる方も多くいます。
みかんの花と同様にかんきつ類特有の強い香りと酸味があります。
二宮さんは愛媛県・八幡浜市で2.5haの広さでみかんをつくっています。 そこで採取された「純粋みかんの花はちみつ」です。一切加熱はしておりません。 |
特有の強い香りがありますが、この香りを好む人もかなりいます。西洋栃はマロニエと呼ばれ、街路樹などに使われます。
そのほか、国内だけでも、りんご・びわ・さくら・菜の花・ラベンダー・萩など季節、地方それぞれにたくさんあります。
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